Obsidian(オブシディアン)~Office文書とAlfrescoの連携によるシステム開発~
Obsidian(オブシディアン)とは
業務システムと文書管理システムの間を埋めるシステム構築手法のことです。
- Excel文書の内容をデータベースに格納する仕組み
- 同種かつ多様なExcelファイルを一元的に管理、処理する仕組み
といった仕組みを提供します。
[画像のクリックで拡大表示]主なシステムの問題点
現在主に業務システムと文書管理システムの2種類のシステムが使用されています。
業務システムは業務フローの処理を自動化するために導入され、文書管理システムは既存のExcelファイルをまとめて管理するために導入されています。
業務システム
業務システムとは
業務効率化のために業務フローを自動化するために導入されます。
- 専用の画面から
- データベースに
- データを格納する
業務システムの利点
処理を自動化するために
- きっちりとしたデータモデルを整え
- 専用の画面を設計し
- マスターデータを整備し
- 確実なデータのチェックを行い
- 厳密なデータが格納される
ですので、「業務のミスが減る」、「業務工数が減る」という利点があります。
業務システムの欠点
「業務のミスが減る」、「業務工数が減る」という利点がある反面
- ユーザとSierが要件を定義し
- データモデルを設計し
- プログラミング言語を駆使して
- 業務専用のシステムを開発する
というようにシステムを作成するので、「業務を変えるのが困難」であるという欠点が存在します。
[画像のクリックで拡大表示]文書管理システム
文書管理システムとは
もともとが個人でバラバラにもっていたExcelファイルを一か所にまとめておくことで、他人も利用できるようにするために導入されます。
- 文書管理システムで
- 汎用アプリケーションの
- ファイルを格納する
文書管理システムの利点
紙と鉛筆の業務の効率化のためにExcelファイルを利用しているので、
「ユーザが自由に使える」、「業務の変化に素早く対応できる」という利点があります。
文書管理システムの欠点
紙と鉛筆に代わる個人向けツールなので
- ユーザのスキルが必要
- 組織(会社・部署等)での統制がとりにくい
- ルールを決めても、守られる保証がない
- データの収集ができない
というように、「処理の自動化が不完全」、「ミスが入り込む余地が多い」という欠点が存在します。 [画像のクリックで拡大表示]
Obsidianの適用
業務システムと文書管理システムのそれぞれの欠点を補完することができるのが、Obsidianです。
- 業務でExcelを使用しているが、なかなかデータが活用できない、あるいはデータの集計に手間と時間がかかっている。
- 同じ種類のデータに対して、異なった様式の数多くのフォーマットが用意されている。
- 書式の追加、変更が頻繁にある。
- ファイル名の付与ルールだけではファイルの検索が難しい。
というような問題がある場合に、Obsidianが効力を発揮します。
Obsidianの機能
Excel文書を、文書管理システム(Alfresco)で管理します。
- ルールに基づいたファイル名の自動付与
- 検索、版管理など
- アクセス権制御
- ワークフロー
Alfrescoから自動処理を起動します。
- Excelファイルの読み取り→DBへのデータ格納
- Excelファイルへの書き込み、ファイル分割、マクロ実行等
データベースに格納されたデータを活用します。
- DBMSにデータが格納されているので、様々な業務システム用のBIツールやEUCツールを活用したデータの集計・分析が可能となります
Obsidianの仕組み
Excelテンプレートのシート・行・列に対して、データベース上での項目名を付与する対応表をExcelのシートで用意します。
- テンプレートのレイアウト毎に対応表が必要です
Excelファイルから項目の対応表に基づいてデータを取得し、指定の項目名としてデータベースにデータを書き込みます。
- テンプレートの修正だけでフォーマットの変更に対応できます
Obsidianの導入の流れ
業務に合わせて、データモデル・UI・利用の設計を個別に設計し、実装する必要があります。また、データ取得のための対応表を作成する必要があります。
[画像のクリックで拡大表示]Obsidianの動作環境
クライアント
- OS:Windows 7以上
- Internet Explorer 11
- Microsoft Excel 2008以上
サーバ
- OS : Windows Server / Linux
- 文書管理:Alfresco Community Edition, Hibernate ORM
- DBMS : MySQL, MS-SQLServer, PostgreSQL
- ストレージ : DBMS用と文書管理用の領域が必要
- 他に、稼働しているActive Directoryが必要
※ 記載されている会社名、製品名またはサービス名は各社の商標または登録商標です。